知る、ということ
朝、出社前にこどもをバス停まで送っていくと、いつも同じ時刻に通りかかるおじいさんがいます。ニコニコとこどもの顔を覗きこんでは何も言わず、とぼとぼと歩いていくおじいさん。
最近私も歩くようにしています。会社帰りに1駅くらい歩くだけ。いつまで続くかな。
脳が壊れた、という本を読みました。
- 作者: 鈴木大介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 新書
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脳梗塞後のリハビリでの体験や、周囲との関わり方、脳梗塞によって今までできていたことができなくなったことで初めてきづいたことを著者は「僥倖」としてポジティブに捉えています。
ぎょうこうと読みます。思いがけない幸運という意味です。
実際に読んでみて「見えない障害」と言われる高次脳機能障害について、私は知らなさすぎでした。
症状の中に、感情失禁というものがあるそうです。感情を抑えることができず泣き出してしまったり、言葉に詰まったり。赤ちゃんを見ると嬉しい気持ちになってニヤニヤしてしまったり。
そういうことだったのか。知らなさすぎた。
もしかしたら、朝のおじいさんも大変な思いをしてリハビリしているのかも。なんだか切なくなってきた。
知らなかったことを知ることで、見え方は変わる。
いろんなことに気づかせてくれる本でした。読んでよかった。僥倖。